リスの食べ物と貯食行動が生態系維持に一役!

この記事では次のことが学べます。

・リスの貯食場所と理由
・リスの貯食行動と生態系の関係
・日本に生息するリスの種類

リス食べ物というとドングリクルミを始めとした植物性と思いがちですが、何と
・昆虫
・鳥の卵
・葉っぱ
・他の植物の種子
なども採食する雑食性なんですね!

そりゃあそうですよね、ドングリクルミの実が結実するのは秋の一時期ですからね。
だから、そのために貯食するのでは?

いかに貯食上手なリスと言えども、翌年のドングリの季節まで貯食した食料で食いつなぐことはできません。

リスは何故、どこに貯食するのか?

貯食する場所は、土の中だけではなく樹上にも溜め込む習性があるんですね。
肝心の貯食する理由ですが、人間で例えてみれば保存食として後で食べる。

でも、実態はそう完璧にはいかないようですね!
・貯食した場所を忘れてしまう
・アカネズミなどに盗まれてしまう
・樹上に貯食した実が落下してしまう

まあ、盗まれたりしたものは仕方ないにしても、
100%ではないしろ埋めた(貯食した)場所を覚えているなんてスゴイ!ですよね。
何か目印を付けておく訳でも無さそうだし、動物の本能なんでしょうか?

あっ、その貯食する理由ですが、後々食べるためだけでは無いことがわかりました。
と言っても、私が調べた訳ではありません。

先日、何という番組か忘れましたがテレビで放送していました。

リス貯食するもう一つの理由とは?
ドングリには、タンニンが含まれている。
そのドングリを直ぐさま食べると苦いので取りあえず貯食しておく、というのがその理由!

ほんとうのところは、リスに聞いてみないと分らないですよね。

リスの貯食行動と生態系維持の関係とは?

森林総合研究所による、「ニホンリスの貯食行動によるオニグルミの更新」調査によると、

小型の無線発信機(本体約2g)を木の実に付け,運ばれた位置を受信機で探索したところ,たいへん有効であることが分かった。この方法を,ニホンリスによって貯食されるオニグルミの種子に適用したところ.以下の点が明らかになった。
ニホンリスはオニグルミ種子を傾斜の山側に持ち運ぶ傾向がある。
種子は地面の落葉の下や,樹上の枝の聞に貯食された。
貯食場所は母樹から 15m以内が多いが,1~168mと変異が大きい。
秋にリスは156個のクルミを運んだが,このうち42%はすぐに食べ,58%は貯食した(地面に47個,樹上に44個)。
このうち39%(61個)は後日リスが食べ,12%(19個)はアカネズミが盗んだ。
樹上に貯食したもののうち8 個は落下した。
結局,7%(樹上から落下した 8個と地面の3個)は5月まで地上に放置され, 発芽の機会を持った

引用「森林総合研究所

結論は、調査結果より、
リスよりによる種子の運搬がオニグルミの更新にかかわっていることが示された。
でした。

日本に生息するリスの種類(狩猟可否)と習性

タイワンリス(狩猟獣)

分布:伊豆大島、神奈川、静岡、和歌山 等々

習性
平野部から低山の森林や人家の庭などで見られる。
昭和40年代頃、伊豆大島に旅行した際、身近に見ることができました。
相当数繁殖しているようです。

昼行性で樹上で生活、営巣する。

シマリス(狩猟獣)

分布:北海道
習性
海岸から高山まで広く生息。
樹上より地上生活が多い。
冬期は地中に穴を掘って冬眠する。

ニホンリス(1994年~非狩猟獣)

分布:沖縄を除き全国的に分布

習性
樹上性。
平地から山地の森林帯に生息し、木の実、葉っぱ、昆虫などを捕食する雑食性。

大物猟(静岡県など)でタツマにじっと待機していると、けっこう身近にみる事がありますね!


まとめ

近年、クヌギなど落葉樹の伐採が進み野生鳥獣の餌不足が危惧されています。
ドングリの、あの小さな実を狩猟獣のなかで最も小さいリスと体重100㌔超にもなるイノシシや熊も食べるんですね!

大物獣が食べたドングリは消化してしまいそれで終り。
しかし、リスの貯食行動によって実生のクヌギが発芽の機会を迎える。

自然界はそうやって昔から成り立ってきたんですね。