アライグマの捕獲に狩猟免許は不要|天敵不在のアライグマ捕獲作戦!

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この記事では次のことが学べます。

・アライグマの習性と天敵
・アライグマ捕獲は狩猟免許不要
・アライグマの捕獲手段とは?

アニメ、「アライグマラスカル」で一躍有名になったアライグマ。

でも、アニメに登場するラスカルのイメージとは裏腹に害獣アライグマになってしまった!

アライグマは本来、鳥獣保護法によって狩猟免許所持者でなければ捕獲することはできません。
しかし、害獣化したアライグマを狩猟免許なしで捕獲・駆除する手段もあります。

ここではアライグマの駆除の方法についてまとめてみました。

アライグマの習性と天敵

日本に生息するアライグマ原産地北・中米。

本来ペットとして飼われていた個体が逃げ出したり、放棄されてりして野生化し全国的に増殖している哺乳類です。

そのアライグマ、原産地ではオオカミなどの天敵により生態系が保たれているのでしょうが、日本においてはそのような天敵はいません。

アライグマの天敵になり得るのは人間様しか存在しないんですね!

アライグマの習性
生息環境は、平野部を中心に林、公園、市街地などの水辺に生息しています。
食性は雑食性で小動物や果実などを採食。

木登りも上手なんですね!

本来ペットであるはずのアライグマ、現状はタヌキやキツネ、アナグマ等と同様狩猟鳥獣に指定されています。

下は「狩猟読本」に掲載されているアライグマの画像です。


アライグマは「ネコ目アライグマ科」の動物です。

コチラ↓はタヌキ。


害獣アライグマとはいえ勝手に捕獲することはできないんですね!

アライグマは狩猟鳥獣でもあるので、狩猟免許(第1種銃猟免許またはわな猟免許)を取得し、且つ住所地の都道府県知事に対して狩猟者登録等を行わないと狩猟行為として捕獲することができません。

また、狩猟行為としての捕獲であっても、
・いつでも
・どこでも
捕獲できるわけではありません。

狩猟期間は基本的に11月15日~翌年2月15日(北海道を除く)、捕獲できる場所は鳥獣保護区や寺院仏閣等、狩猟が規制されている区域外となります。

以上、狩猟により合法的に捕獲できるアライグマではありますが、アライグマの生息環境からして銃猟による捕獲は好ましくありません。
したがって自ずとワナによる捕獲になるわけです。

狩猟に頼らないアライグマ捕獲手段とは?

アライグマは「特定外来生物」に指定されています。

「特定外来生物」とは、外来生物(海外起源の外来種)であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定されます。
特定外来生物は、生きているものに限られ、個体だけではなく、卵、種子、器官なども含まれます。
その、特定特定外来生物の防除ができるのは国(主務大臣による防除)だけではなく、地方自治体や民間でもできるようになっています。

引用;環境省 自然環境局

関東地方においても、ほとんどの都県および自治体がアライグマ防除の認定を受けています。
たとえば、茨城県においては、

・特定外来生物の種類
アライグマ
・確認認定を行った日
令和3年3月24日
・防除を行う期間
令和3年4月1日~令和8年3月31日まで
ただし、計画の前提となる国の告示期間の見直しやアライグマの生息状況等の大きな変動、新たな科学的知見があった場合等は、必要に応じ計画の内容や計画期間等を見直すものとする。
・防除を行う区域
茨城県全域
・防除の方法
計画的な防除として、はこわなにより捕獲し、適切に処分する。
・主務大臣
環境、農林水産大臣

引用:茨城県アライグマ防除実施方針
(第3次茨城県アライグマ防除実施計画)

以上により、アライグマ捕獲従事者に認定されれば捕獲が許可されるんですね。

アライグマの駆除|アライグマ捕獲従事者になるには?

都道府県が実施する「アライグマ捕獲従事者研修会」を受講する必要があります。

研修は座学・実技(適切な捕獲と安全に関する知識、技術等)を含めて概ね2時間くらいとなります。

ただし、この研修、誰でも受講できる訳ではありません!

アライグマ捕獲従事者研修会を受講するには、狩猟免許受験資格と同等の資格要件が必要です。
狩猟免許受験資格要件
以下の欠格事由に該当する者は受験できません。

・20歳に満たない者(銃猟)
・18歳に満たない者(網、わな猟)
・精神障害、統合失調症、そううつ病、てんかん等にかかっている者
・麻薬、大麻、あへん、覚醒剤の中毒者
・自分の行為の是非を判別して行動する能力が欠如または著しく低い者
・狩猟免許を取り消された日から3年を経過していない者
・鳥獣法に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その刑の執行を終り、または執行を受けることがなくなった日から3年を経過していない者


東京都でアライグマの捕獲数が急増!

東京都でのアライグマ捕獲件数が過去10年間で5倍に増加し、農業被害や生態系への悪影響が心配されています。
対策として捕獲が行われていますが、被害の減少はまだ見られません。

環境省の報告によると、アライグマは北米が原産で、ペットとして飼育されていたものが野生化したとされています。
彼らは雑食性で、適応力と繁殖力が非常に高いため、東京都西部の丘陵地帯を起点に広がりを見せています。

2022年度におけるアライグマによる農業への影響は、日本全国で約4億5千万円という莫大な被害額に上りました。

特に果樹園や野菜畑、養鶏場がこの問題の影響を受けています。
さらに、絶滅危惧種であるトウキョウサンショウウオを含む野生生物も捕食されている事例が報告されています。

各地方自治体は、この問題に対処するために様々な取り組みを行っています。

例えば、青梅市ではアライグマ捕獲を望む住民に対して捕獲器の設置を支援しています。
また、府中市では農業被害や住宅侵入の問題が発生した際に、住民が相談できる体制を整えています。

【出典:環境省】

まとめ

アライグマは雑食性で果樹や農作物を食い荒らしたり、天井裏に住み着いたりの被害が増えています。

この害獣となったアライグマの被害を防除するには、個体の絶対数を減らすしかありません。
狩猟免許(わな猟)を所持しているハンターでもシカやイノシシの駆除に従事する人はけっこういますが、アライグマの駆除従事者はあまり聞いたことがありません。

アライグマの被害を防ぐには、ハンターに頼らず自治体と共同で捕獲するより手はなさそうです。