4 Apr 2021
この記事では、次のことについて学べます。
狩猟免許試験に出題される法令
狩猟免許試験における知識試験では、
・鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法令
・猟具に関する知識
・鳥獣に関する知識
・鳥獣の保護及び管理に関する知識
以上に関して、三肢択一式（３つの選択肢の中から正解の一つを選択する方法）で３０問出題されます。
以下の例題は、
「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法令」
に絞ってまとめてみました。
つまるところ、免許の種別（銃猟・わな猟・網猟）に関係なく共通する設問となっています。
また、ここでは三肢択一式ではなく１問１答（正誤で解答する）としてあります。
問いに対して、正しければ「○」、間違っていれば「×」で要解答。
狩猟鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化等に関する法令の問題
（これらの問題が必ず出題されるわけではありません。）
問題１．
鳥獣の保護および管理並びに狩猟の適正化に関する法律は、主に狩猟免許に関する制度について定めている。
問題２．
鳥獣の保護および管理並びに狩猟の適正化に関する法律は、生物の多様性の確保、生活環境のお保全および農林水産業の健全な発展に寄与することを目的としている。
問題３．
鳥獣の保護および管理並びに狩猟の適正化に関する法律の担当行政機関は、国では農林水産省、都道府県では農林行政担当部局が担当している。
問題４．
狩猟に関する法律の仕組みは、絶滅の恐れのある野生動物の種の保存に関する法律および鳥獣保護管理法に規定されている。
問題５．
狩猟免許を受けた者が鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律に違反しても、罰金刑以上の刑を受けなければ、狩猟免許の取り消し又は効力が停止されることはない。
問題６．
都道府県の区域全部について狩猟者登録すれば、その都道府県内の放鳥獣猟区の区域についても登録は有効である。
問題７．
狩猟鳥獣は、環境大臣によって定められている。その種数は鳥獣の生息等の変化に応じて見直されており、現在は鳥類が２６種、獣類が２０種の合計４６種である。
問題８．
狩猟鳥獣の指定は環境大臣が実施しており、狩猟鳥獣の一時的な捕獲禁止規制は環境大臣または都道府県知事が実施している。
問題９．
狩猟鳥に指定されている鳥類のひなや卵は、狩猟期間であれば捕獲することができる。
問題１０．
狩猟鳥獣は狩猟期間中には捕獲することができるが、地域で生息数が減少していることなどから都道府県知事が必要と認めて公示する場合は、その都道府県に限り狩猟鳥獣の指定を解除することができる。
問題１１．
狩猟者登録証は、都道府県知事に速やかに返納する必要があるが、期限についての定めはない。
問題１２．
使用できる猟法は、狩猟免許の種類に応じて決められているが、一部の猟法については、鳥獣の保護増殖を図るために使用が禁止されている。
問題１３．
狩猟免許を受けた者が狩猟を行うために必要な適性に欠けるようになったときは、狩猟免許が取り消され、また効力が停止されることがある。
問題１４．
狩猟免許の有効範囲は、免許を受けた都道府県内に限定される。
問題１５．
狩猟免許の有効期間は、当初は約３年間であり、更新後は５年間である。
問題１６．
狩猟免許の有効期限の最終日は、９月１４日である。
問題１７．
第１種銃猟免許は２０歳、網猟免許は１８歳、ワナ猟免許は２０歳で取得できる。
問題１８．
狩猟免許の更新は、有効期限内であればいつでも自由に更新手続きを行うことができる。
問題１９．
鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律などに違反した場合は、違反の度合いにかかわらず狩猟免許が取り消される。
問題２０．
狩猟免許を取り消された者は、その後１年間、取り消された狩猟免許を取得するための試験を受けることができない。
問題２１．
狩猟者登録を受けた者が狩猟を行うときには、常に狩猟免状を携帯していなければならない。
問題２２．
狩猟免許を受けた者は、住所地の都道府県知事に事前に狩猟者登録すれば、全国どこの都道府県でも狩猟を行うことができる。
問題２３．
狩猟免許を受けた者は、全国のどこの都道府県でも狩猟を行うことができるが、狩猟をした後に当該都道府県知事に対して狩猟報告を添付して狩猟者登録を行わなければならない。
問題２４．
狩猟者登録は、有効な狩猟免許を所持しており、かつ、狩猟事故に伴う損害賠償（３０００万円以上）のための保険に入っている場合に受けることができる。
問題２５．
狩猟者登録の期間は、１０月１日から翌年の３月３１日まで（全国）である。
問題２６．
狩猟者登録は、放鳥獣猟区のみ、都道府県全域の２通りのうち、狩猟をしたい場所を選んで登録することができる。
問題２７．
狩猟をしようとしている土地の所有者から狩猟者登録証の提示を求められたときは、提示することが好ましいが、提示する義務はない。
問題２８．
狩猟者登録証の住所又は氏名に変更があったときは、遅滞なく登録を受けた都道府県知事に対して届け出をしなければならない。
問題２９．
狩猟免許が取り消されても、すでに受けた狩猟者登録は有効であり、狩猟を続けて行うことができる。
問題３０．
狩猟免許を受けている者であっても、狩猟者登録を受けていない場合は、狩猟期間中であっても狩猟鳥獣の捕獲を行うことはできない。（許可を受けた場合を除く）
問題３１．
狩猟者登録証の返納時、狩猟期間中に捕獲した場所と延日数を報告しなければいけない。
問題３２．
北海道以外の地域の狩猟期間は、１０月１５日から翌年の２月１５日までである。
問題３３．
環境大臣が定めた猟区の狩猟期間は、１１月１５日から翌年の２月１５日まで（北海道にあっては、１０月１日から翌年の１月３１日まで）
問題３４．
環境大臣が定めた猟区の狩猟期間は、鳥獣の生息動向に応じて、狩猟鳥獣の種類や場所を定めて延長又は短縮されることある。
問題３５．
鳥獣保護区、墓地、特定猟具禁止区域では、狩猟鳥獣の捕獲が原則として禁止されている。
問題３６．
社寺境内では、その神聖さや尊厳を保持するために、狩猟鳥獣の捕獲は原則として禁止されている。
問題３７．
都市公園などの捕獲が原則として禁止されている場所では、銃器による捕獲は禁止されているが、網又はワナによる捕獲はできる。
問題３８．
狩猟鳥獣であっても、その保護増殖を図るために区域や期間を定めて捕獲が禁止される場合がある。
問題３９．
鳥獣保護区は、概ね５０００㌶以上は環境大臣、５０００㌶未満は都道府県知事により指定される。
問題４０．
鳥獣保護区は、鳥獣を保護する目的や規模等により、環境大臣又は都道府県知事により指定される。
問題４１．
休猟区は、鳥獣の生息環境を保全するために、環境大臣により指定される。
問題４２．
休猟区は、原則として狩猟が禁止されているが、イノシシ又はニホンジカに限り狩猟が認められる場合がある。
問題４３．
垣やさくで囲まれた土地又は作物のある土地において鳥獣を捕獲しようとする場合は、その土地の占有者の承諾を得なければならない。
問題４４．
警察署長の許可を得た場合を除いて、爆発物、劇薬又は毒薬を使用して鳥獣を捕獲してはならない。
問題４５．
猟区（放鳥獣猟区を含む）においては、猟区設定者の承諾を得なければ狩猟鳥獣の捕獲をしてはならない。
問題４６．
猟区（放鳥獣猟区を含む）においては、狩猟者登録を受けていなくても狩猟鳥獣の捕獲をすることができる。
問題４７．
猟区（放鳥獣猟区を含む）においては、狩猟者登録を行い、且つ都道府県知事の許可を受けた場合、狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲をすることができる。
問題４８．
猟区は、国、都道府県または市町村以外にも猟友会や森林組合等の民間が設定できる。
問題４９．
国道、都道府県道、市町村道においては狩猟鳥獣の捕獲が禁止されているが、林道および農道においてはその限りではない。
問題５０．
狩猟に際し、狩猟者登録証および狩猟者記章の携帯、着用は義務ではないができるだけ携帯、着用することが求められれる。
正解とコメント
問題１．の答
×
鳥獣保護管理事業、鳥獣保護区、鳥獣の捕獲許可および狩猟免許・登録等に関する制度について定めている。
問題２．の答
○
問題３．の答
×
国では環境省、都道府県では自然環境行政または農林行政担当部局が担当している。
問題４．の答
×
狩猟に関する仕組みは、鳥獣保護管理法に規定されている。
問題５．の答
×
罰金刑以下であっても、効力の停止等の処分がされる場合がある。
問題６．の答
○
問題７．の答
○
問題８．の答
○
問題９．の答
×
狩猟鳥に指定されている鳥類のひなや卵は、狩猟期間中であっても捕獲することはできない。
問題１０．の答
×
狩猟鳥獣の指定、解除を行うのは環境大臣である。
問題１１．の答
×
登録期間満了後、３０日以内に都道府県知事に返納しなければならない。
問題１２．の答
○
狩猟鳥に対するワナの使用は禁止。
問題１３．の答
○
問題１４．の答
×
狩猟免許の有効範囲は日本全国である。
問題１５．の答
×
当初は約３年間であり、更新後は３年間である。
問題１６．の答
○
問題１７．の答
×
ワナ猟免許は１８歳
問題１８．の答
×
事前に更新申請書を都道府県知事に提出し、適性検査に合格した場合に更新できる。
問題１９．の答
×
違反の度合いに応じて狩猟免許が取り消されることがある。
問題２０．の答
×
取り消し後、３年間は受験できない。
問題２１．の答
×
携帯すべきは狩猟者登録証とバッチ。
問題２２．の答
×
狩猟を行う都道府県ごとに登録しなければならない。
次の問題
問題２３．の答
×
狩猟する前に登録しなければならない。
問題２４．の答
○
問題２５．の答
×
１０月１５日から翌年４月１５日まで（北海道にあっては、９月１５日から翌年の４月１５日まで）
問題２６．の答
○
問題２７．の答
×
土地の所有者から提示を求められたときは提示する必要がある。
問題２８．の答
○
問題２９．の答
×
狩猟免許が取り消されたときは、狩猟者登録も取り消される。
問題３０．の答
○
問題３１．の答
×
狩猟期間中に捕獲した鳥獣の種類・場所・頭羽数を報告する。
問題３２．の答
×
１１月１５日から翌年の２月１５日までである。
北海道にあっては、１０月１日から翌年の１月３１日まで
問題３３．の答
×
１０月１５日から翌年の３月１５日まで（北海道にあっては、９月１日から翌年の２月末日まで）
問題３４．の答
○
問題３５．の答
×
特定猟具使用禁止区域では、各区域ごとに指定された特定猟具の使用のみが禁止されている。（網は含まれない）
問題３６．の答
○
問題３７．の答
×
銃による捕獲だけではない。網、ワナによる捕獲も禁止されている。
問題３８．の答
○
問題３９．の答
×
そのような基準はない。
問題４０．の答
○
問題４１．の答
×
都道府県知事により指定される。
問題４２．の答
○
問題４３．の答
○
問題４４．の答
×
劇薬等使用の許可主体は環境大臣である。
問題４５．の答
○
問題４６．の答
×
猟区であっても狩猟者登録は必要である。
問題４７．の答
×
猟区であっても、非狩猟鳥獣の捕獲はできない。
問題４８．の答
○
問題４９．の答
×
公道上での捕獲はすべて禁止されている。
農道、林道も公道である。
問題５０．の答
×
狩猟者登録証および狩猟者記章の携帯、着用は義務付けられている。
まとめ
ここでは１問１答（正・誤）としましたが、狩猟免許試験における知識試験では前述の通り、三肢択一式で３０問出題されます。
従って問題文は全部で９０問、
制限時間は９０分で７０％以上の得点で合格となります。
なお、設問は、
・次の記述のうち、正しいものはどれか
・次の記述のうち、適切なものはどれか
・次の記述のうち、誤っているものはどれか、
などの形式で出題され、３つの中から一つを選んで解答するというやり方です。
三択方式での解答（選択）では、消去法を使うのも一つの手ですね。
中には、紛らわしい問題も含まれていると思います。
そんなとき、正しい１つの選択に迷ったら、明らかに間違っていると思うものが判ればそれを先ず削除する。
言わずもがな残りは２つ、いずれかが正解、確率は５０％になります。
知識試験を突破できれば技能試験へ進めます。
参考文献 大日本猟友会「狩猟読本」