銃砲刀剣類所持等取締法上の認知機能検査

この記事では次のことが学べます。

・75歳以上は【認知機能検査】
・認知機能検査の内容

 銃刀法、「75歳以上」で銃を所持するには「認知機能検査」が必要!

ハンターの高齢化が進む中、75歳以上で銃猟、射撃等を行う者は認知症機能検査が義務付けられています。

検査対象は次の通りとなっています。
■ 所持許可申請:申請書を提出した日で75歳以上
■ 更新申請:有効期間が満了する日で75歳以上

銃刀法では銃を所持できる年齢、下限年齢は空気銃の場合18歳以上、猟銃は20歳以上と決められていますが上限は無いんですね!
そのかわり、車の免許同様、認知機能検査を受けなければなりません。

検査内容(自動車教習所での例)
■ 「検査時の年月日、曜日及び時刻の記述」
■ 「16の物の図画を物の名称と分類とともに示して一定の時間が経過した後の物の名称の記述」
■ 「時計文字盤を描き、指示された時刻を時針及び分針で表示すること」

この検査、実は道交法の認知機能検査と同じなんですね。

車の免許更新の際、行った認知機能検査

具体的には↓の事例(1~5順)の通りです。
(令和2年に行った検査の内容)

1.名前、生年月日、運転状況の記述等
これは、検査以前の事象です。

2.4パターン、16枚の絵(イラスト)を見せられ記憶する
下図の様な絵(イラスト)をスライドで順に見せられます。
各パター3分程度で覚えます。

何の変哲もないイラストですよね!
楽器、身体の一部、テレビ、ラジオ、・・・・
覚えた後、これらの絵とは全く関係のない次のことをやらされます。

3.指示された数字に斜線を引く
1~9の数字がランダムに横並びに書かれていて、検査官が指示した数字に斜線を引く検査です。
例えば、「3と7」とか「9と2と5」とか、やることは単純で難しくないです。

ゆっくりやれば、満点とれる検査ですが限られた時間で解答しなければなりません。

ちなみに、これは採点対象外です。

4.前記2で記憶した絵を想い出して記入する
見せられた直後でも16個の絵を限られた時間内に書くのはけっこうシンドイです!
それが、3の作業をやった後ですからなおさら厳しいですよね。
解答の絵(16個)は順不動でもかまいません。

5.時計の文字盤と指定時間を描く
時計の絵(文字盤)を描いて指示された時刻を書き示す検査です。
A4サイズの白紙に円を描いて1~12の数字を書き込む。
そして、指示された時刻(時、分)を描く。
ただそれだけです。
例えば、「11時10分」とか、これも簡単ですよね。

手書きで描くとこんなに綺麗に描けませんがね。
正確に描けていれば、別に綺麗に描く必要はありません。

6.ヒント付きで解答する
先ほどの16個の絵を書く問題でヒントが出されます。
このヒントによってほとんど正解できると思います。
(記憶力には個人差がありますから何ともいえませんが・・)

以上、いずれも時間が決められていて限られた時間内に解答しなければなりません。

認知機能検査の採点方法

1 採点基準
3つの検査の採点基準は、こちら↓です。

(1) 総合点の算出
総合点は、時間の見当識、手がかり再生及び時計描画の3つの検査の点を、次の計算式に代入して算出します。
(計算式)

総合点=1.15×A+1.94×B+2.97×C

A 時間の見当識の点
B 手がかり再生の点
C 時計描画の点

(2) 総合点と結果の判定
総合点によって、
記憶力・判断力が低くなっている者(第1分類)、
記憶力・判断力が少し低くなっている者(第2分類)
又は記憶力・判断力に心配のない者(第3分類)に判定されます。

ア 記憶力・判断力が低くなっている者(第1分類)
総合点が49点未満
イ 記憶力・判断力が少し低くなっている者(第2分類)
総合点が49点以上76点未満
ウ 記憶力・判断力に心配のない者(第3分類)
総合点が76点以上

(上記、16パターンのイラストと「認知機能検査の採点方法」の記述は警察庁のホームページより引用)

結果は、その日にわかります。

以上、自動車の免許更新時の認知機能検査の内容でした。

銃砲所持許可申請時の認知機能検査も、これに準じた内容になるかと思います。
車の場合、自動車学校等、指定された場所で行いますが、銃砲の場合は警察所で実施されます。