ド派手な冠羽のオシドリ|オシドリ夫婦の実態」は?

オシドリは、鳥綱カモ目カモ科オシドリ属に分類される鳥類です。
オスは冠羽や銀杏羽など美しい色彩の羽毛を持ち、メスは地味な灰褐色の羽毛を持ちます。


仲が良い夫婦を「おしどり夫婦」と呼ぶことがありますが、実はオシドリは毎年パートナーを変えることが判明しています。

オシドリは東アジアに分布し、日本では北海道や本州中部以北で繁殖し、冬季になると本州以南へ南下し越冬します。

イギリスなどへ移入・定着した個体もいるとか!!?

オシドリは森林に囲まれた山の湖や池、木の陰の水面を好み、あまり他のカモとなじまず、オシドリだけの群れをつくります。
食性は雑食で、水生植物、果実、種子、昆虫、陸棲の貝類などを食るんですね。

オシドリは木の洞に巣をつくり4月~7月頃に9~12個の卵を産みます。
けっこう多いですね!

抱卵は、メスのみが行い抱卵期間は約1ヶ月でヒナが生まれます。

オシドリと人間

オシドリは古くから日本人に親しまれてきた鳥なんですね。

和名のオシは「雌雄相愛し」に由来すると考えられています。
漢字標記はが本種のオス、が本種のメスを指すとされています。
どちらも難しい漢字ですね!

雌雄の仲が良いと考えられ、本種を用いた夫婦の仲が良いことを指すことわざとして、
・鴛鴦契(えんおうけい)
・鴛鴦偶(えんおうぐう)
などがあります。

姿・形はオスのキラビヤカさに反してメスは地味ですね。

地方にはオシドリ夫婦の民話もあります。

『おしどり』(小泉八雲の短編小説):ある猟師が赤沼でオスのオシドリを狩り、鍋にして食 べると、夢の中で美女が現れて「なぜ夫を殺したのか」と泣きながら責める。翌日、猟師が赤 沼に行くと、メスのオシドリが自分の体を引き裂いて死んでいる。猟師は出家して僧になる。

『亭主を殺されたメスのオシドリ』(千葉県の民話):ある殿様が阿蘇村の村上にある池でオスのオシドリを射殺すると、メスのオシドリが飛んできて「夫を返してください」と泣く。殿様はメスも射殺しようとするが、逃げられる。その夜、殿様はメスのオシドリに化けた美女に訪れられ、恋に落ちる。しかし、美女は「私はあなたに殺された夫と一緒になりたい」と言って姿を消す。殿様は後悔して自害する。

『おしどり塚』(栃木県の民話):ある若者がおしどりを見つけてオスを射ると、メスが「夫を返してください」と言って飛んできて死ぬ。若者はおしどりを埋めて塚を作り、祈りを捧げる。その後、若者は僧侶となって戦場を渡り歩き、大将に戦争をやめるように諫める。

そんなオシドリではありますが、近年生息数が減少しているんですね。
IUCNレッドリストでは軽度懸念(LC)に指定されていますが、日本では絶滅危惧II類(VU)に指定されています。オシドリを保護するためには、森林や水辺の環境保全や人工巣箱の設置などが必要です。

まとめ

オシドリは美しい色彩の羽毛を持つカモ科の鳥です。
日本では夫婦愛の象徴とされてきましたが、実際には毎年パートナーを変えると言われていますが・・。

ヒナに足輪でも付けて追跡観測したんでしょうかね?