23 Jun 2020

狩猟免許を取りたいけど、適性検査ってどんなことするんだろう?
更新の時も同じ検査があるの?
そう思っている方、多いのではないでしょうか。
狩猟免許の取得・更新において、適性検査は避けて通れない重要なステップです。
本記事では、この適性検査の全容を分かりやすく解説します。
網猟・わな猟、銃猟(第一種・第二種)に応じた視力基準から、聴力、運動能力に関する具体的な検査内容、さらには75歳以上の方に義務付けられている認知機能検査まで、必要な情報をすべて網羅。
検査項目ごとの合格基準や、知っておくと安心なポイントもお伝えします。
<目 次>
狩猟免許取得に必要な視力:免許の種類で基準は異なる
狩猟免許の適性検査において、まず重要となるのが視力です。
実は、取得する狩猟免許の種類によって合格基準が異なります。ご自身が目指す免許の種類に応じて、必要な視力を確認しておきましょう。
合格基準は以下の通りです。
- 網猟・わな猟の場合の視力
- 両眼で0.5以上が必要です。
- ただし、片眼の視力がない場合でも、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上あれば合格となります。
- 第一種銃猟免許、第二種銃猟免許の場合の視力
- 両眼で0.7以上であり、かつ一眼でそれぞれ0.3以上が必要です。
- ただし、一眼の視力が0.3に満たない、または視力がない場合、他眼の視野が左右150度以上で視力が0.7以上あれば合格となります。
※ 検査は「万国式試視力表」による視力で、矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズ着用)を含みますのでご安心ください。
【視力検査の豆知識】
視力検査のときに使う、黒いオタマのようなもの何て言うかわかりますか?
視力検査で使う黒いおたまのような道具は「遮眼子(シャガンシ)」と言います。
また、輪の一部が切れている「C」のような記号は「ランドルト環」というんですよ。
視野検査について
狩猟免許の適性検査では、視野は特別な機器を使って調べられることはほとんどありません。
しかし、一定の基準が設定されているのは、安全な狩猟活動には広い視野が不可欠だからです。
今後の制度変更は分かりませんが、現状では専門医による詳細な検査は通常行われません。
<参考>
車の免許更新の際、高齢者講習では↓の写真の様な機器で片目ずつ検査されます。
この検査、手動で行われ、
・物が見え始める
・また物が見えなくなる
それぞれ、その瞬間に発声して合図することによって視野角がポイントされます。
狩猟免許取得に必要な聴力:補聴器の着用可能
適性検査では、視力と併せて聴力も検査の対象となります。
聴力の合格基準は、
「10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる聴力」となっています。
病院の耳鼻科で行われるような医療機器を使った精密な検査ではないため、過度に心配する必要はありません。
多くの場合、検査会場で試験官の声が聞き取れる程度であれば問題なく合格できます。(経験上)
補聴器を使用している場合でも、補聴器により補正された聴力で基準を満たせば合格となりますのでご安心ください。
狩猟免許取得に必要な運動能力:安全な活動が目的
最後に、運動能力も適性検査の重要な項目です。
合格基準は、
「狩猟を安全に行うことに支障を及ぼすおそれのある四肢または体幹の障害がないこと。
ただし、狩猟を安全に行うことに支障を及ぼすおそれのある四肢または体幹の障害がある者については、その者の身体の状態に応じた補助手段を講ずることにより狩猟を行うことに支障を及ぼすおそれがないと認められるものであること。」
とされています。
検査会場では、地域や自治体によって多少の違いがあるようですが、一般的に以下のような動作を数人まとめて一斉に行います。
- 膝の屈伸
- 両腕を上に挙げる
- 指の屈伸
日常生活で普通に歩行ができ、これらの簡単な屈伸運動ができる程度であれば、特に問題なくクリアできる項目と言えるでしょう。
以上、狩猟免許取得および狩猟免許更新時に実施される適性検査の内容でした。
75歳以上の高齢者は認知機能検査が必要です!
75歳以上の高齢者が狩猟免許を取得または更新する際には、上記3つの検査に加えて認知機能検査が必要となります。
これは、安全な狩猟活動を確保するために非常に重要なプロセスです。
この検査を通じて、高齢者の記憶力や判断力といった認知能力の現状が評価されます。
認知機能が低下している場合、状況判断の遅れや注意力の散漫が生じ、これが事故につながるリスクを高める可能性があります。
検査によりそのようなリスクを未然に防ぐことができ、ご自身の健康状態を見直す良い機会にもなります。
ちなみに、この検査は75歳以上の者が車の免許証を更新する際の高齢者講習時に実施される認知症検査と同じです。
車の場合は、一般的に自動車教習所で行われますが、狩猟免許の場合は警察署となります。
認知機能検査について
運転免許証の更新期間が満了する日の年齢が75歳以上のドライバーは、認知機能検査等を受けなければならないこととされています。
認知機能検査等は、運転免許証の更新期間が満了する日の6月前から受けることができます。
認知機能検査の対象となる方には、運転免許証の更新期間が満了する日の6月前までに認知機能検査等の通知が警察から届きます。
引用;警視庁HP
認知症検査の内容
主な内容は以下のとおりです。
1.検査時の年月日、曜日及び時刻の記述
時刻はピッタリ正確でなくても大丈夫。
2.16のイラストを限られた時間内で記憶します
3.2の後、全然別のテストを限られた時間内で行います
このテストは、合否に関係しません。
4.2で記憶したイラストの名称をヒントなしで記述
5.4ですべて解答できなかった場合、または解答に自信がなかった場合、ヒント付きで解答する
例えば、「大砲」のイラストが提示されたとして、解答できなかった場合のヒントは「武器」。
また、「オルガン」のイラストの場合、ヒントは「楽器」。
こんな要領で解答することになります。
この検査、16個ものイラストを数分間で記憶、しかもその後、採点に全然関係ないことをやらされるのがミソ!
でも、大丈夫。
ヒントが与えられれると結構思い出すもんですね!
6. 時計文字盤を描き、指示された時刻を時針及び分針で表示する
これは、記憶力は必要ないですね!
あくまでもアナログ表示です。
デジタルじゃダメですよ!
以上、認知機能検査についてでした。
認知機能検査の詳細はコチラ
狩猟免許更新時に必要な書類:忘れずに準備しよう
最後に、狩猟免許を更新する際に必要となる書類についても確認しておきましょう。
スムーズに更新手続きを進めるために、事前に漏れなく準備することが大切です。
- 狩猟免許更新申請書
- 各都道府県のウェブサイトからダウンロードできます。
- 写真
- 6ヶ月以内に撮影した無帽、正面上三分身、無背景の縦3.0cm、横2.4cmの顔写真です。裏面に氏名、撮影年月日を記載してください。
- 医師の診断書
- 申請前6ヶ月以内に発行されたものが必要です。
- 銃猟免許の場合、現に有効な猟銃・空気銃所持許可証の写しも必要となります。
- 狩猟免状
- 現在お持ちの原本が必要です。
- 手数料
- 2,900円です。
- 手数料の支払い方法は都道府県によって異なり、現金納付または収入証紙のいずれかになりますので、事前に確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、狩猟免許の取得および更新時に行われる適性検査について、その全容を詳しく解説しました。
視力、聴力、運動能力といった身体的な検査から、75歳以上の方が対象となる認知機能検査、そして更新時に必要な書類まで、皆さんが安心して検査に臨めるよう、具体的な基準やポイントをお伝えしました。